小説家のオススメ【書評ネタバレ無し】売れる作家の全技術/大沢在昌

小説

新宿鮫で有名な大沢在昌さんの「小説の書き方」の本です。

本気でプロを目指している人は必読の本だと思います。

 

出版社から小説の書き方の本を書いて欲しいと要望があった時、

 

「ミステリーの書き方」という本があるから書きたくない。

小説講座を作り、その中でのやり取りを本にする。

 

と言われた本です。

 

ご謙遜をと言いたくなるような素晴らしい本です。

超具体的なのでめちゃめちゃタメになります。

※ミステリーの書き方のレビューはこの記事の最後にリンクを張ってあります。

 

前半は、小説を書く上での講義。

後半は実際の受講生の原稿を使っての具体的なアドバイス。

 

刺さる部分がいっぱいありました。

トゲの話やアメリカ作家と日本の作家が用いる文章の違い。などなど。

 

小説講座に通うと思えばすごく安い買い物だと思います。

 

 メニュー

 

「一つでも一生忘れない言葉があった本は良い本だ。」と言われてます。

このメニューの中で引っかかるものが一つでもある人は買いだと思います。

超具体的に説明してくれています。

 

前半

作家で食うとはどういうことか

作家デビューの方法/偏差値の高い新人賞を狙え/作家の財布事情/縮小する出版市場/

作家になるために大切な四つのポイント/作家のモチベーション/デビュー前にどれくらい書いていたか/無理してでも決められた枚数を書くべきか/途中で駄作だと感じても最後まで書くべきか

一人称の書き方を習得する

三つのハードルを克服しろ/一人称を活かした描写を/一人称の情報の入り口は一点しかない/主人公の年齢にあった描写をする/善人ばかりの小説は弱い/会話での説明に頼り過ぎない/主人公の年齢と地の文の関係/専門用語の効果的な使い方/人間観察の活かし方/「出す」だけでなく「入れる」ことも忘れない/どうすれば嫌な人物を描けるか/実験体を作品に反映させることはあるのか/

いいタイトルをつける秘訣

強いキャラクターの作り方

キャラクターがストーリを支える/数字や固有名詞に頼らず雰囲気を伝えろ/キャラクターには登場する理由がある/細部を細かく作り上げていく/主人公に変化のない物語は人を動かさない/物語の進行とキャラクターの変化/記憶に残る意外性のあるキャラクターを/人間観察から全てが始まる/人の視線の先を見る/激しい感情を書く/リアルとリアリティーの違い/主人公を追い込むのが作者の務め/主人公=作者ではない/小説の中のルール/あえてルールのギリギリを狙う/人物の過去や背景を退屈にしない描き方/言葉遣いでキャラクターの個性を表現する/地の文で性格を描写しない/自分の劇団を持とう/ミステリーには基礎知識が必要/流され形のキャラクターとキャラクターの変化の違いは/キャラクターに深みがないからカタルシスが生まれない/名探偵は主人公なのに物語の中で変化しないのでは/アマチュアでも取材は可能か/ラストで意外性を持たせると卑怯だと言われてしまう

会話文の秘密

実際の会話と小説の会話は違う/キャラクターにふさわしい会話/会話で人物を説明する方法/隠す会話のテクニック/なぜ隠す会話が必要か/効果的な会話のテクニック/決定的なセリフにたどり着け/想定会話を書き出してみる/キャラクターになりきり、同時に頼り過ぎない/やくざの会話は映画などで学ぶのか/神の視点と視点の乱れの違いは

プロットの作り方

どんな楽しみを提供するかを意識する/謎の扱いがプロット作りのカギ/小説の形を考える/通過点を決める/道筋を決める/物語をどこから始めるか/逸脱を恐れるな/プロットを作るとき枚数はどうやって考えるか/どうすればプロットをうまく使えるようになるか/作品内のタイムテーブルは作るべきか

小説にはトゲが必要だ

面白い小説を書くには/最も強い武器を伸ばせ/デビューしたら後がない/ここでの差は気にするな/面白い物語とは何か/もう一ひねりとは何か/主人公を残酷な目に遭わせろ/小説のトゲとは何か/こぢんまりとした作品になってしまうのはなぜ/古典の引用で注意すべきことは/小説に実在の人物名を使ってもよいか/主人公以外の登場人物に試練を与えてもいいか/視点の問題はどうすればクリアできるか/物語のカタルシスには何が必要か/複数の視点人物を登場させるには/漢字はどの程度使うべきか

文章と描写を磨け

文章にリズムをもたせろ/正確な文章を書け/正確な文章は的確な言葉選びから生まれる/八割感情、二割冷静で書く/描写の緩急を使え/人物をひと言で表現しろ/比喩表現にはセンスが問われる/描写の三要素/擬音・オノマトペ・外来語/日本文学と海外文学の違い/改行のテクニック/普通の言葉で新しい表現を/自分の文体を持て/編集者は新人作家に何を期待するか/人物描写のコツは/副詞はなるべく入れるな。は正しいか/シーンを変えるポイントとは/推敲の方法を知りたい

長編に挑む

設計図と分量配分/冒頭シーンは何度も書き直せ/主人公を印象づけろ/強いキャラクターを複数つくる/キャラクターを印象づけるセリフ/ラストシーンは自然に決まる/中だるみを防ぐには謎を解け/一つ目の謎を解き、新たな謎をつくる/クライマックスは二度用意する/お気に入りの長編小説を分解してみる/自分を遊ばせてあげよう/登場していない人物も動いている/推敲まで作品を寝かせる/描写に困ったときの虎の巻/読者はM、作者はS/強いタイトルを考えろ/編集者から長編小説への注文/読者を冷静にさせてはいけない/時代の空気を取り入れろ/情報を自分の血肉にしろ/短編向きのテーマ、長編向きのテーマ/思いついたことは作品に全て注ぎ込むべきか/キャラクター作りではストーリーを意識すべきか/知らない世界をどう描くか/冒頭から順番に書くべきか/方針が変わった場合、最初から書き直すべきか

 

強い感情を書く

面白い物語を作る技術は教えられない/作家になりたいという人生は続く/作家としての人生にもいろいろある/回り道を恐れるな/足りないものをどう埋めていくか/技術は教えられるが才能は教えられない/ラストから逆算してかいてもよいか/短編を長編に仕立てたものを別の賞に応募できるか

 

※ここから小メニューは割愛

■デビュー後にどう生き残るか

 

後半 受講生の原稿を元にアドバイス

■ラストで「ひっくり返す」物語を書く

■「自分の書きたい世界」を書く

■テーマ競作「バラ」と「古い建物」を入れた物語を書く

■テーマ競作「恐怖」の感情を書く

まとめ

難点は、読むのに疲れる事です。

文章自体は読みやすいです。

ですが頭を使いながら読んでいかなくてはいけないので、疲れます。

その分、為になることが多かったです。

新たに作品を書く前に読まれることを強くお勧めします。

タイトル 売れる作家の全技術
ジャンル 小説の書き方
著者   大沢在昌

 

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