青色ノイズと<あこがれ>キラーチューン/プロ作家 総夜ムカイさんへのインタビュー

プロ作家へのインタビュー

MF文庫J第14回ライトノベル新人賞で審査員特別賞を獲り、作家デビューされた

総夜ムカイさんへのインタビュー記事です。

 

快く答えていただきました。

デビューに向けて頑張っている方へのアドバイスも頂きました。

プロ作家 総夜ムカイさんへのインタビュー10の質問

 

質問1   小説を書きはじめたきっかけはなんですか?

私が二次元にハマったのは非常に遅くて、26歳くらいだったでしょうか。

その頃、プライベートで色々ありまして、鬱屈した気持ちを紛らわすために深夜アニメを観まくったのがきっかけでした。

そこから原作を追うようになり、ライトノベルに出逢いました。

ええ、けいおん!ブームのせいで、すっかり社会人でアニオタデビューですよ!

 

MF文庫Jさんに応募をしたきっかけは、当時初めて買ったライトノベルが平坂読先生の「僕は友達が少ない」だったからですね。

キャラクターの掛け合いが秀逸で、こういう物を描きたいと思って小説を描き始めたはずなのですが、なぜかデビュー作は、まあまあヘビーな青春物だったという(笑) でも、一番の理由は、私がラジオにネタハガキを投稿するハガキ職人をやっていたからですかね。

オールナイトニッポンという番組が大好きで、私のペンネームの「総夜」も、そのオールナイトから拝借しております。

その頃よく採用されていた番組が、西川貴教さんのオールナイトだったので、「作家デビューをして知名度を上げて、西川さんに恩返しがしたい!」という気持ちを、ずっと投稿のモチベーションにしておりました。

でも、全然知名度上がってねーよ、こんちくしょー! しかし、当時のリスナーの方が未だに、私こと「PN.ムカイ」のことを覚えて下さっていて、青色ノイズの購入報告をたくさんいただきました。

本当に嬉しい限りです。こういった縁を大事にしていきたいんですよね。

だから、あとがきでも触れましたけど、西川貴教さんには感謝しかありません。

あと、aikoさんの会報に青色ノイズが載ったのも嬉しかったですね。

aikoさんもラジオきっかけで好きになったのですが、こうして大好きなアーティストさんに恩返しをしたくて書いたのが、青色ノイズだったので。

皆様に発売を喜んでいただけて幸せです。

 

質問2   ペンネームとご出版タイトルとツイッターアドレスを教えてください。

■ペンネーム  総夜ムカイ

■タイトル  青色ノイズと<あこがれ>キラーチューン

■ツイッターアドレス https://twitter.com/mukai0809

総夜ムカイ@ラノベ作家とかハガキ職人とか

質問3   初出版作まで長編を何作書きましたか? 賞応募暦もあれば、何作応募したか教えてください。その間の気持ちを教えてください。

応募用にしか書いた事は無いですね。

私の場合は、MF文庫Jさん一筋でした。

あの緑の背表紙に妙な憧れがありまして。

 

確か、デビュー作が7本目の投稿だったと思います。

結果は、3本が二次選考落ちで、3本は一次選考で落ちました。

やはり、一次選考も通過できないと、気持ち的に滅入ってしまいますよね。

 

更には転勤で一人暮らしを始めることになり、生活するのに精一杯で、まる2年ほど執筆から遠ざかっておりました。

でも、作家デビューをどうしても諦めきれなかったので、最後に納得のできる物を書き切って終わりにする!と決意し、プロットから練りに練って作ったのが、デビュー作の「青色ノイズと<やきもち>キラーチューン」でした。

 

初心に帰って、熱量の高い作品を描けた事が受賞に繋がったと個人的には思っております。

結果が出ない時は辛いですけど、折れたら負けなので。

疲れたら少し休憩をして、どれだけ時間が空いても、書き続けることが重要です!

 

質問4   「青色ノイズと<あこがれ>キラーチューン」の苦労した点はどこですか?

 

個人的に青春要素の強い作品が好みなので、話が重くなりすぎる癖があり、青春とラブコメのバランス調整が非常に難しかったです・・・。

 

質問5   「青色ノイズと<あこがれ>キラーチューン」の工夫した点はどこですか?

音楽という題材を取り扱う作家さんは少ないと思います。

音楽を文字にするのは本当に難しくて、何でこんなジャンルに手を出したんだろうと何度後悔したことか(笑) でも、私は学生時代からビジュアル系バンドが大好きで、色んなバンドのライブに通ってはいつかV系をネタに何か作品を作りたいとずっと想っておりました。

 

だからこそ、彼らのライブを観て感じた「生の気持ち」を、そのまま文章にすることで「熱」を感じていただけるのではないかと思い、あえて痛々しく生々しい表現にこだわりました。

作中でポエムを使用しているのも、キャラクター達の葛藤を地の文ではなく、短いあらすじのように捉えてもらえるのではないか、と思ったためです。

目がすべる、読み辛いというリスクもありますが、それ以上に表現者としてのこだわりが勝りました。

おそらくこういったアプローチは、デビュー作でしか出来ないことなので。

とにかくやりたいようにやりましたので、是非お手に取って確かめてみて欲しいです!

 

質問6   「青色ノイズと<あこがれ>キラーチューン」を作られる前にどの程度プロットをつくりましたか?

投稿時の話をしますと、普段は一週間くらいで投稿用のプロットを作るのですが、この青色ノイズは難産で、3カ月ほど費やしたんじゃないでしょうか・・・。

 

でも、プロットって計画書みたいなものなんで、書いている途中で変更点は山ほど出て来ますし、新人賞の投稿ではプロットから外れてでも、熱量の高いものを作品に落とし込むべきなんじゃないかと思います。

デビューをしてしまえば、「読者」のことをおざなりにできないですから。

だから、自分本位に作品を書けるのは、デビュー前だけなんですよね。

でも、本来、それが小説を書く楽しさの醍醐味だと思いますので、とにかく楽しんで書いて欲しいですね。

結果だけを追い求めると、どんどん小説を嫌いになっていくので・・・。

 

質問7   「青色ノイズと<あこがれ>キラーチューン」を知らない小説好きに勧めるなら、なんと言いますか?

音楽物だけど、ラブコメもあって読みやすいよ!

音楽だからって敬遠しないで!(笑)

今回の2巻は「あこがれ」がテーマでして、やはり「夢」を持っている人に読んでいただきたいですね!

夢は叶えたら叶えたでしんどいことがたくさん待ち受けていますが、叶えた後でしか見られない景色もあります。

青色ノイズを読んで、読者の皆様に夢を追い掛けて欲しいです。

あと、1巻よりラブコメパートも頑張ったので、その辺りも是非!

 

質問8   今、デビューに向け小説を書いている方にアドバイスを下さい。ご謙遜抜きでお願いします。

売れているわけでもありませんので、偉そうに語れる身分でもないのですが・・・。

よく担当付じゃないと受賞できないんじゃないかとか、30歳になると受賞は難しいんじゃないかという意見を見かけます。

でも、私の場合、担当さんも付いておりませんでしたし、受賞時の年齢も33歳です。

ね?ちょっと勇気が湧いてくるでしょ?(笑)

 

確かにライトノベルのターゲットはあくまで10代なので、歳が離れている我々アラサー世代は、それだけ内容が時代錯誤になりがちではありますが。

でも、それって新人賞という舞台では、いくらでも熱量でカバーできると思うんですよね。

それに、デビューしてからが本当の地獄なんだぜ!へへへ!と、脅しておきます(笑)

 

アドバイスとしては、書きたいテーマを絞ることですね。

あれもこれも詰め込みすぎると、収拾がつかなくなるので、一本の柱を決めて、そこに向かってプロットを作り込むって感じですね。

これはプロになってから本当に痛感しました。

最初に「コンセプト」を決めてから肉付けしていくことが大事になってきます。

「何言ってんだ、こいつ」とお思いでしょうけど、これって意外と忘れがちなんですよ。

 

設定とか、キャラクターとか、何でもいいんです。これが書きたい!と思う物をまずは見つけてください。コンセプト=セールスポイントです。

 

そこが決まれば、もう後は書きたいことが自然と降りてくるはずです!

 

そして、とにかく売れた作品は絶対読んだ方がいいですね。

引っ張られ過ぎても駄目ですけど、やはりそこには「売れる理由」が詰まっているので、我々にとって既発のヒット作は、貴重な教科書ですから。

 

 

質問9   初出版が決まった連絡を受けたとき、どんな気持ちでしたか?

受賞のお知らせはメールで来たのですが、すぐに返信できなかったですね。

 

何とか翌日に返信させていただいたのですが、それでも1週間ほど、ろくに寝られませんでした。

 

不思議なもので、受賞の喜びよりも、出版のプレッシャーの方が勝つものです。

 

一番うれしかったのは、やはりイラストをいただいた時ですね。

この日のために、辛い想いをしながら執筆しているんだと想えますから!

兼業作家は体力的にも、しんどいですよ(笑)

 

質問10  未来の自分へ一言!

もっとちゃんとラブコメを描きなさい!

 

読者の皆様へのお礼

この場を借りて青色ノイズをお読みいただいた皆様に感謝を述べさせてください。

本当にありがとうございました。

青臭い物語です。

好き嫌いの分かれる作品と思います。

それでも、「面白かった!」という皆様の感想が、2巻を執筆するモチベーションになりました。

おかげで、すごく良い物が書けたと自負しております。

 

また感想を聞かせてくださいね。

まだまだ新人ですので、この先、どれだけ自著を出版できるか分かりません。

 

それでも、皆様の期待に応えられるように、可愛いヒロインを描きたいなと思っております。

うん、ムカイ先生、頑張るよ!(白目)

まとめ

いかがでしたでしょうか。

総夜ムカイさんが気になったら

ツイッターフォローや本のご購入お願いします。

出版界は厳しいので、一作一作が勝負です。

「本読みました」とリツイートしたら、喜んでくれると思います。

 

現役ラノベ出版者への質問と回答へ

 

ホームへ

コメント