プロ作家のプロット公開/小説プロットの作り方

悠木シュンの心が折れないブログ

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こんにちは。

第35回小説推理新人賞を受賞し、作家デビューした悠木シュンです。

 

今回は、プロットの書き方を教えてくださいというご要望にお応えして私の新作「君の××を消してあげるよ」のプロットを公開します。

 

 

みなさんは、小説を書く前にどのくらいプロットを練りますか?

ガチガチに作りこむ人もいれば、箇条書きにさらっと書く程度の人もいるでしょう。

 

実は、私のデビュー作「スマドロ」(文庫版改題「スマート泥棒」)は、プロットはありませんでした。

 

手のひらサイズのメモ紙に簡単な相関図を書いて、「こういう感じにしたいと思います」と授賞式の日に担当編集者に渡したのが始まりです。

 

そうしないと、デビューできないと思ったんです。

小説講座パート5の短編賞のメリットデメリットを読んでいただけると、その後の苦悩などが書いてあります。

本当は、デビューまでのことを詳細にお伝えしたいところですが、今回は割愛させていただきます。

結論から言うと、プロットに正解も間違いもありません。ただ、ないよりはあったほうがいいということだけは言っておきます。

というのも、小説は書いてみなければわからないことの方が多いからです。書いては消し、書いては消し、という作業を繰り返してやっと完成するものです。

 

今回お見せするのは、初期のプロットと2回目のプロットです。

初期のプロット段階では、編集者からOKが出ませんでした。

 

まあ、一発OKなんてことはほとんどありませんから、こちらも素直に練り直します。

2回目に送ったプロットでようやくGOサインがでましたが、出来上がった作品と比べると半分ほどしか反映されていません。

先ほども言った通り、書きながら、物語はできるのです。

プロット公開

では、初期プロットをどうぞ。(クリックしたら画像は大きくなります。PCの方は、リンクの方が見やすいと思います)

これは、「ゴードン・ノーストック事件」と「プチエンジェル事件」と「スレンダーマン刺傷事件」をベースに考えました。書きたいもののテーマが「少女たちの闇」だったんです。

実際の事件をベースに考えてはみたものの、ちょっと登場人物に感情移入しづらいという点などがボツった原因だったのではないかと思います。

 

これをベースに2回目のプロットが以下のものです。

プロット2

 

だいぶ登場人物が変わったのがおわかりでしょうか。

タイトルも全然ちがいますよね。

 

ギリギリまで「心が折れる音がした」というタイトルでいこうとなってたんですが、話し合いの末「君の××を消してあげるよ」になりました。

 

タイトルが決まると、それに伴った文章を加筆したりエピソードを加えたりする必要があります。

なぜ、そのタイトルになったのかを読者に納得してもらわないといけないからです。

 

あまり、説明してしまうとネタバレになってしまうのでこのへんで止めておきますが、どのようにプロットが反映され、最終的にどういう話になったかは作品を読んで確認してみるとおもしろいと思います。

私は、プロットの段階ではキャラクターをふわっとしたイメージで書き記します。

書きながら、その子たちと一緒に考えて喋って物語を進めていくという感じです。

 

しかし、ライトノベルを書かれる方には、一人一人履歴書のようなものを作った方がよい、とアドバイスしています。

それは、容姿を含めインパクトのあるキャラクターが求められるからです。

詳細であればあるほど、物語を進めやすいというメリットがあります。

プロットを書く上で大事なのは、書き終えた自分がイメージできるかどうかです。

プロットの段階でそれが見えていないと、途中で心が折れてしまい、ゴールまでたどり着けません。どんなプロットでも構いませんが、「よしこれで大丈夫だ」と思えるものを書くことをオススメします。

まとめ

さて、いかがだったでしょうか?

プロになったら、プロットはとても大事になってきます。

編集者に見てもらうのは、出来上がった作品ではありません。

まず、プロットを見せて、おもしろい、いける!と編集者のゴーサインがでないと書くことすら許されません。

何度も何年もそれが通らないということもあります。

なので、今の段階でプロットをきっちり書く癖をつけておいてください。

 

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