現役ラノベ出版編集者ヘの質問と回答 まとめ 新人賞 2019 パート13

現役ラノベ編集者への質問と回答 

パート12からの続きです。パート12はこちらから。

ラノベ出版編集者が質問に答えた中で

役に立ちそうな回答をまとめました。随時更新します。(ご本人の許可を取っています)

ご回答者は 講談社ラノベ文庫 シゲタさんです。ラノベ新人賞の総括をされています。

シゲタさんのツイッターhttps://twitter.com/shigetayuu

一年前の記事は今のラノベ業界を反映していない可能性があります。

2019年の質問と回答をまとめました。

 

※質問箱のまま記入していますので、質問は表現が適切で無い場合がございます。

質問と回答

 

原稿を読んでいて面白くなくても我慢できるのは何ページくらいまでですか?別の言い方をすると何ページまでに掴んでおく必要がありますか?

「掴む」を「読み進める原動力を付与する」と定義してみます。 僕は右始まりの応募原稿で2枚です。文庫本換算で4ページですね。実際にはさすがにもっと読みますが。 遅くとも10ページまでには掴んでおきたいですが、4ページの人も、極論すれば1行の人もいることは念頭に置かれるべきだと考えます。

 

例えば西尾維新の様に往年の名文を引用してもかまわないのでしょうか?外国語でも構いませんか?

著作物侵害にあたらない範囲で正しく引用すれば問題ありません。 「外国語でも」とは、外国語の一時文献の引用でしょうか。であれば同様です。

 

なろう系と呼ばれる作品は多くがコミカライズされている気がするのですが多くはコミカライズ前提で出版が行われているのでしょうか?(わからない場合は編集者の勘的にどうか教えてください)

また仮にコミカライズしている作品の方がノベルより売上をだしてしまった場合ノベルの方は部数を落として刷るのですか?それともバッサリ打ち切りますか?

実際にそんな作品あると思いますか?

知りませんが半分くらいはコミカライズ前提じゃないかなと思います。 部数絞って粘ると思います。 ありますよ。というか、かなり多くの作品で、コミカライズの方が原作小説より売れています。 コミカライズは決まってるが書籍化は決まってないというケースもよく聞きます。

 

流行に合せた作品作りは必要なのでしょうか?

異世界転生だのハーレムだの、web界隈はカオスを極めています。

必要ないと考えます。 「流行り」と一口にいっても、テーマ、表現、キャラ、ネタ、色んな要素があります。僕の経験上、Twitterなどでよく言われる「流行り」はネタのことです。 表現を磨かずアイデアを練らず、そのネタ書けば売れるというものでは全くありません。

 

エロ漫画先生など、実在するラノベなどのタイトルを出して物語を進めている作品がありますが、これって誰でもやっていいものなのでしょうか。それとも伏見先生の人徳故可能なことなのでしょうか。

具体的には、投稿作においてラノベが好きなキャラクターがラノベの話をする際に、実在のラノベのタイトルを出してラノベ談義をするというシーンは問題ないのでしょうか。

 

タイトル出すだけなら問題ありませんが、タイトルしか出してなくても、実際には内容やその著者への評価に繋がることになるでしょう。 名誉毀損リスクがあるので担当と慎重に作っていく必要はあると考えます。 投稿作がそのまま刊行されるわけではないので投稿時点では問題ないです。

 

投稿作の本文でキャラに実在の存命中の人物(例えばイチローのような)を語らせるとした場合、その行為はあまり好ましくないなど何か不都合はあるでしょうか?

あります。

名誉毀損で最悪訴訟に至るリスクです。故人であっても同様ですが。 問題があっても改稿で対処できるとか、担当ついてから「こういう危険がありますよ」と説明してご理解頂けそうな程度であれば、選考にあたっての不都合は特にありません。

 

作品を見れば作者の才能は分かるものですか?

だいたいわかります。

しかし便利な日本語なので僕も「才能」の一言で片付けがちなんですが、実際見ているのは才能というより「姿勢」と表現されるべきものだと思います。

 

大賞レベルの作品が2つあったら若い作者に賞をあげちゃいますか?作品以外の要素が賞に影響することはないのでしょうか?

いえ、両方とも大賞にします。 年齢は影響します。が、担当についてからの期待値を左右するところなので、すでに優れた投稿作が目の前にあるのなら影響しません。

 

執筆をしていると、ふと、「読者は途中で読むのをやめずに、最後までよんでくれるのだろうか……」と不安になる事がままあります。

どうすれば読者を作品に引き込んで、続きを読みたいと思わせることができるでしょうか。

全てのページ、全ての行、全ての文字に、読者を楽しませる意識を妥協なく注ぎ込むことです。

 

 

シゲタさんへの質問と回答がたまり次第、パート14をUPします。

 

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