現役ラノベ出版編集者ヘの質問と回答 まとめ 新人賞 2018

様々

ラノベ出版編集者が質問に答えた中で

役に立ちそうな回答を まとめました。随時更新します。(ご本人の許可を取っています)

ご回答者は 講談社ラノベ文庫 シゲタさんです。ラノベ新人賞の総括をされています。

シゲタさんのツイッターhttps://twitter.com/shigetayuu

一年前の記事は今のラノベ業界を反映していない可能性があります。

2018年の質問と回答をまとめました。

 

※質問箱のまま記入していますので、質問は表現が適切で無い場合がございます。

質問と回答

序盤で読者のこころを掴むどのは、どうやったら掴めますか?

講談社ラノベ文庫 シゲタさん回答

色々やり方ありますけど、キャラ、世界観、展開、ドラマ、なんでもいいんですが、その作品の一番面白いところを出し惜しみせず頭から見せるのが手っ取り早いと思います。

 

ストーリィー全体が面白いのが一番良いと思います。しかし、それは難しいことだと思います。

選考を突破し受賞するためには、「序盤・中盤・終盤」の中で、どこが面白いと良いのでしょうか?

講談社ラノベ文庫 シゲタさん回答

強いて挙げるのならば序盤だと思います。 読者は読み始めて面白くなければ、本を途中で閉じることができる、ということは肝に銘じて頂くべきことかなと思います。

 

シゲタさんは選考でどこに着目して作品を見ていますか?

僕個人は今回、頭から25枚以内の読み味と、何が起きているかを注視しています。上げる上げないではなく、担当希望するしないの尺度です。 選考にあたっては、全体を見ています。

 

一人称で、地の文では「僕」を使い、会話文で「俺」を使うのは大丈夫なのでしょうか?
そういった本と出会ったので…

 

読者のストレスにならないようちゃんと工夫されているのであれば問題ありません。 思春期男子特有のイキりと含羞をうまく表現できるかもしれませんね。 僕もご多分に漏れず、学校では「俺」家では「僕」。外では「おふくろ」家では「お母さん」派です。

 

作品の審査は内容が全てとは思いますが、有名な俳優とかが応募すれば
(商売上の打算も含めて)少なからず有利になりそうな気がします。
応募作を審査する時に作者名やその人の情報は隠されるのでしょうか?

 

 

いいえ。隠されませんし、賞において有利になることはありません。気づいた時点で賞の選考からは外してすぐ連絡して、別枠で刊行した方が商売上の打算に見合うからです。

 

 

新人賞応募作品について「たいてい最後まで読まれると思います」ということは
最後まで読まなければいけないみたいな決まりは別にないんですか?

 

ありませんが、かなり詳細な感想・評価の提出を特に外部下読みの方にはお願いしています。
最後まで読まなかったとしたらその合理的な理由を述べていただかねばなりません。

 

二重投稿はどのようにして発覚しますか?

 

三次選考あたりまできて数が絞れた段階で、同時期の他賞の発表を調べたり、作品名・著者名でググったりして見つけます。タレコミをいただくこともあります。

 

序盤は三人称視点で、後から一人称視点にしても問題ないですか?

 

応募資格という意味では全く問題ありません。
選考を突破できるか否かという方向でしたら、それで効果的に描けるのなら問題ありません

 

受賞した賞金の税金はどうなりますか?

 

当然ですが所得税がかかります。
税金がかからないのは宝くじの賞金しか思いつきません。
高額だと源泉引かれて振り込まれますので、ぜひ確定申告に行くことをおすすめします。

 

異世界ブームっていつまで続くと思いますか?

 

もう終わらないと思っています。
趣味嗜好が多様化してますので、異世界ものであれ学園ラブコメであれ、需要は多少細くなるとしても切れることはなく、いくつもの中~小規模のジャンルがずーっと並び立つようになっていってると考えます。2000年代以降の音楽と同じ現象ではないかと思います。

 

 

しげたさんの思うラノベとはどんなモノをさしますか?
一般文芸との違いなどを教えていただけたら嬉しいです。

 

恐らく期待されているベクトルの回答ではないでしょうが、僕は誰かがラノベだと思っていたらラノベで、文芸だと思っていたら文芸だという考えです。
指標を立てるなら、刊行されたレーベルでくくればいいと思います。

 

ラノベにとって、萌えは必須でしょうか?
しげたさんが思う萌えとはどいういうものでしょうか?

 

僕は必須だとは考えません。
真顔で言いますけど、「愛」じゃないですかね。自分が好きで好きでたまらないものを、熱量を損なわず、赤の他人にも共感してもらえる形に上手に整えて放つものを「萌え」というのではなかろうかと思います。

 

次のページに続きます。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

少しでも出版社と応募者の認識の差を埋めるのに役立ちましたか。

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