現役ラノベ出版編集者ヘの質問と回答 まとめ 新人賞 2018 パート6

様々

パート5からの続きです。パート5はこちらから。

ラノベ出版編集者が質問に答えた中で

役に立ちそうな回答をまとめました。随時更新します。(ご本人の許可を取っています)

ご回答者は 講談社ラノベ文庫 シゲタさんです。ラノベ新人賞の総括をされています。

シゲタさんのツイッターhttps://twitter.com/shigetayuu

一年前の記事は今のラノベ業界を反映していない可能性があります。

2018年の質問と回答をまとめました。

 

※質問箱のまま記入していますので、質問は表現が適切で無い場合がございます。

質問と回答

しげたさんは120ページの応募原稿だと、どれくらいの時間で読み終えられていますか?
途中で別の仕事をされて、また読見始めるというようなこともされるのでしょうか?

 

講談社ラノベ文庫 シゲタさん回答

だいたい1、2時間ですがコンディションによります。
他の仕事の合間に読んでるので、例えば電話が鳴ったら取らないといけませんし、中断は頻繁にあります。

 

新人賞に応募する前になろうの方に自作を上げようか迷っているのですが、どう思います?
メリットとしてはより多くの人の目に触れさせる点、デメリットとしてはアイデアがパクられる点などが
あげられますが。

 

お好きなようにされたらいいと思います。メリットもデメリットも僕の立場からは特にないと考えていますので。
賞に投稿してしまった後は、他レーベルから書籍化の打診が来ても待ってもらうか断るしかないのでご注意ください。

 

賞の一次で落とされる作品は具体的にどんな点がマイナスになって落とされるんですか?

 

本にして刊行するないし、担当について一緒に次回受賞を目指すという文脈において、他の編集にも読ませたいと思えなかった作品が落選となります。

 

一次審査で落とされるのは「小説として成り立っていないもの」レベルと聞いたのですが、本当ですか?

 

 

うそです。

 

完成度は低いけど(とくに文章や構成といったもので)、整えてあげたら売れそうな話とかあったりするものですか?

 

ありますけど、僕はけっこう大きめな改稿前提で受賞→刊行よりも、担当付いて落選でじっくり練り直しながら新作も進める方がいいという考えです。

 

下読みさんには「最低何本はあげろ」「上げるのは多くても何本までにしろ」みたいな指示は出すんですか?真面目に審査し評価もきっちり提出した上での全落としや全上げだったら受け入れざるをえないですか?

 

良かったら何本でも遠慮なく上げてくださいとだけ言っています。 全上げでしたら、うちは下読みの方と個々の編集がやり取りしてるので、窓口の編集がちゃんと審査してない可能性を考慮して読み直したりすることになります。結果全上げなら全上げになります。

 

いくら絶対評価とは言っても、一次通過作品が300本くらいになりそうだったら無理矢理減らすし、15本くらいになりそうだったら無理矢理にでも増やしますよね?

一次審査だけでなく二次審査でも。

口には出さなくてもそういう空気ができたり、意識はしなくても例年通りの割合にしようというバイアスはかかりますよね?

 

かかると思いますけど、多い分には審査期間伸ばすとか4次選考設けるとかになると思います。良作みすみす見逃す余裕なんてレーベルにはありませんし。

応募原稿に関わらず、本にするとき、無印やユニクロなどの企業名を出すのはNGなのでしょうか。それを使う面白い題材があったとして、そういう名前がでている原稿は新人賞向きではないとか、ありますでしょうか。

 

商標だからNGというのではなく、文脈によっては名誉棄損になりかねないのが、企業名等を出すリスクです。相手がどう捉えるかが問題なので、著者に対象を貶める意図がなくても関係ありません。 どの道担当も一緒に考えますし、危なければ改稿段階で変えればいいですから、選考には関係ないです。

 

シゲタさんの質問箱に「担当がついたなら」という文面をよくお見かけしたので、そこでご質問なのですが、新人賞に向けて改稿していったその先で、受賞の際にはやはり待遇されるのでしょうか。

受賞するという確約はなくても、二次三次と繰り上がりやすくなるものなのでしょうか?

お答えできる範囲で結構です。よろしくお願いします。

 

繰り上がりやすくはなりませんが、一次の下読みが担当になりますので、担当が一次通過相当だと判断すれば二次から選考に入ります。つまり、担当とコンセンサスさえ取れていれば、賞の締切に間に合わなくとも選考対象になる可能性があります。

夢のない話で申しわけありませんが、新人賞をとって書籍化したあとに、その書籍の売り上げが奮わなかったとします。その後、新人賞の書籍の連載をあきらめ、別の作品を書籍化することは可能でしょうか?可能である場合、それはどうすればよいのでしょうか?

(『現在の編集担当に、別作品を見せて相談する』、『もう一度イチから新人賞に応募する』…)

 

質問文にある「連載」をどう捉えるべきかがわかりませんので回答が質問とマッチしている自信が持てないのですが、普通に新作作りたいですと言って頂ければゼロからでも打ち合わせしますし、案があれば送って頂ければ刊行前提でジャッジします。

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