パート4からの続きです。パート4はこちらから。
ラノベ出版編集者が質問に答えた中で
役に立ちそうな回答をまとめました。随時更新します。(ご本人の許可を取っています)
ご回答者は 講談社ラノベ文庫 シゲタさんです。ラノベ新人賞の総括をされています。
シゲタさんのツイッターhttps://twitter.com/shigetayuu
一年前の記事は今のラノベ業界を反映していない可能性があります。
2018年の質問と回答をまとめました。
※質問箱のまま記入していますので、質問は表現が適切で無い場合がございます。
質問と回答
商業デビューをして作家になり、せめて一冊は世の中に本を出したいという目標があります。
そこで質問なのですが、内容はまあまあだが、筆が早く継続的に本が出せる新人作家と
筆は遅いが内容はピカイチの新人作家では、どちらと仕事がしたいですか?
講談社ラノベ文庫 シゲタさん回答
一冊だけでは困ります。
どちらもです。どちらも編集が介入して良くなる余地がありますので。前者には打ち合わせ重ねてクオリティの底上げを図り、後者には編集からもアイデアを出しつつ数をこなす練習をしていただきます。
あらすじを先に読むか後に読むか、または読まないかは、審査員次第なんですね。
そうですね。各々考えも方法論も哲学も全然違いますから。
シゲタさんが担当したい作品とは、「初稿段階での完成度が高いもの」ではなく、
「粗が目立つが光る部分があるもの」なのでしょうか?
担当したい作家の年齢も考慮して、将来性を重視することが多かったりするのでしょうか?
いえ、その両方です。いずれも別々の切り口で、未来の僕を助けてくれると信じられますので。
僕は近々でお金になってくれそうな才能も、先々が楽しみな才能も、いずれも重視しちゃう系編集です。
今回の応募に投稿させていただきました。
これは面白い、すごいものが書けたと思っていたのですが、小説投稿者はみんな
(かどうかはしりませんが)そう思うということを今になって知り、落ち着かない日々を過ごしています。
自分の書いた小説をなるべく客観的に推敲する為には、やはり執筆から期間をあけて読むしかないのでしょうか?
自分の好み、主観にとらわれず文章を評価するコツがあれば教えていただきたいです。
ありがとうございます。
僕がおすすめしているのは、ご自身にとって目標となるような本を一冊確保しておいて、その本一冊、もしくは好きな章だけでもいいので30分、1時間くらい読んでから原稿の推敲に入るというものです。
製品版では本のタイトルを変えるときは何を考えて変えているんでしょうか?
素人目には(たいしてかわらんやんけ)とか(前のがよくない?)とかおもったりするのですが、
もしかして次数や字画も判断材料にされているのでしょうか?
僕はその本の内容や魅力、空気感や世界観の中で、できるだけ多くのものを伝えられるようにという観点で考えます。字画も気にします。どっしりとかカッチリした雰囲気出すために画数多い漢字での熟語連ねるとか、楽しさや軽やかさ・抜けを作りたくて画数少ない漢字と平仮名で構成するとかもします。
家族には秘密にしていても大丈夫ですか?(賞応募について)
構いませんが、本の刊行にあたって郵送物けっこう多いですから、デビューしたらまず露見します。被扶養者でしたら税金に関わりますし、担当が協力しても防ぎ切るのは難しいかもしれません。
ラノベってスポーツもの少ないですよね??なぜだと思います??
やっぱり文章とスポーツの相性が悪いということでしょうか??
私のようなラノベほとんど読まないマンでもスポ根ものとかあると読もうかな と思うのですが…
少ないです。相性というか、書くハードルがものすごく高いからと考えています。
動きだけでなく、ルールや試合状況を端的にかつ読者の脳裏に浮かびやすく書きつつ、物語やキャラもしっかり立てねばならず、同時にやることが非常に多いので
イラストレーターを作者が指名することは可能でしょうか?
担当の考えと状況によります。
より創作意欲を高めてほしいとか、円滑に仕事ができる関係を作りたいとかの理由で希望を伺うこともありますが、原則としては版元の領分ですので。
現在26歳なのですが、まだまだチャンスはあるでしょうか?
あると思いますが、いくつになっても何書くか次第だと思います。
正直自分は小説というか、物語を書いて食べていければプライドも何もいらないと思っているんですけど、
ノベライズ専門でも何でもいいので、一番の近道って何でしょう?
ゲームライターされてる方など、よくノベライズ等も請け負っている印象があります。どうやってゲームライターになるかは知りませんが、多分コネ作るのが手っ取り早いのではと思います。
ラノベからデビューしてノベライズ専門に繋げるのもありうるルートだと思います。
が、「なんでもいい」と間口を広く構えるのはメリットばかりでもないと思います。
プライドやこだわりが作品に、読者の心を揺るがす熱量を与える側面もあります。
そうした熱のない作品は、こと新人賞では難しいかもしれませんので、これだけは伝えたいテーマなど設けておくといいと思います。
世界中の人が昔から愛した
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