現役ラノベ出版編集者ヘの質問と回答 まとめ 新人賞 2019 パート12

現役ラノベ編集者への質問と回答 

パート11からの続きです。パート11はこちらから。

ラノベ出版編集者が質問に答えた中で

役に立ちそうな回答をまとめました。随時更新します。(ご本人の許可を取っています)

ご回答者は 講談社ラノベ文庫 シゲタさんです。ラノベ新人賞の総括をされています。

シゲタさんのツイッターhttps://twitter.com/shigetayuu

一年前の記事は今のラノベ業界を反映していない可能性があります。

2019年の質問と回答をまとめました。

 

※質問箱のまま記入していますので、質問は表現が適切で無い場合がございます。

質問と回答

やはりラノベを売るにあたって書店員さんの力による部分は大きいですか?

極めて大きいです。 電子書籍とかネット書店とか出版不況とか、出版を巡る状況は目まぐるしく変化していますが、殊ラノベにおいては実店舗の書店さんのインパクトが最も大きいと感じています。

ラノベ作家になりたいのですが、市場の流行を抑えるのも大事ですか?

当然、大事です。 就活で、ある業種や会社に興味を持ったら、普通はその業界の研究は必須のはずです。それと同じです。

プロットの作り方を教えてください。

僕はプロットにセオリーはない論者ですので担当つけて聞いてください。 僕は、シーンごとに誰がなんのために何をしているのか分るよう列挙してもらうようお願いしています。

 

前回「一番よくある駄目なパターンは何か?」という質問に対し、「作者の自意識が強く表に出てきている作品」と回答されましたが、もう一歩踏み込んだ説明をしてください。

自意識が強く表に出るとはどういうじょうたいでしょう。

一例を挙げるパターンでも結構です。

すごく単純な一例を。 難読漢字と古い熟語を好んで使うことです。 これは世界観や雰囲気作りのため、つまり読者のためにやっているケースと、知ったばかりの知識を披瀝したいんだろうなぁと思われるケースがあります。後者は雰囲気作りに貢献せず読み味を損ないます。

 

新人の作品がまったく売れないそうですが、今は無名の作品が求められてない時代になっているのでしょうか?

その傾向はあると思います。 無料で楽しめるエンタメが溢れていますから、せっかくお金を出すのなら、より確実に楽しめそうな作品に、という心理もあるでしょう。

 

投稿作にありがちなミスはなんですか?

受賞して本になったら、一人でも多くの人に知ってもらい、貴重なお金を使って買ってもらわなければならないという点に、実はあまり意識が向いていないことです。

 

有名な古典と同じタイトルをつけて出版することは可能ですか?源氏物語くらい前ならいいけど昭和の作品は駄目、みたいなルールはありますか?

ルールはないです。 タイトルは著作権が認められないケースが多いので、著作権切れを待つ必要もあまりありません。 ただ、読者からすれば紛らわしいので、僕は好ましいとは思いません。

 

魅力的なきゃらはどのようにして作れますか?何かアドバイスを頂きたく存じます。

作中描かれないバックボーン(大袈裟な設定ではなく、初恋はいつとか、昨日の夜は何食べてどう思ったとかくらいの話)とか、ある事象に対してどういうリアクションをする人なのか(電車に乗り合わせた酔っぱらいが暴れたらビビるのか、怒りを覚えるのかとか)などを想定しておくといいと思います。

 

選考の際、賞への投稿暦を見て、何を判断するのですか?

賞に直接関わるところだと、受賞・刊行歴があれば、選考が終わるの待たずにいち早く電話して刊行に動いた方がいい場合があるので、その観点での判断材料にします。 あとは担当ついた際の話の種です。 これ、極めて重要です。その後が全然変わってきます。色んなこと書いてください。

 

読書量って、漫画だと駄目なんですか?

漫画も読むべきですが、漫画だけなら駄目です。ラノベ作家になりたいのなら、ラノベを読むべきです。

 

印税ってどのタイミングで入ってきますか?

刊行前後です。 承認フローと会社や銀行の営業日などで左右されるので、やや幅があるようです。

 

一気読みできない作品は賞には不利と誰かが呟いていました。そんな事あるのでしょうか?

あると思います。 一気読みできるということは、ダレずに語り切るとか、読者の興味を途切れさせずどんどん読み進めさせるとか、読者を作品世界にどっぷり浸らせるとかの技法が優れているわけで、その観点では一気読みできる作品よりできない作品の方が不利です

 

シゲタさんへの質問と回答がたまり次第、パート13をUPします。

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