パート9からの続きです。パート9はこちらから。
ラノベ出版編集者が質問に答えた中で
役に立ちそうな回答をまとめました。随時更新します。(ご本人の許可を取っています)
ご回答者は 講談社ラノベ文庫 シゲタさんです。ラノベ新人賞の総括をされています。
シゲタさんのツイッターhttps://twitter.com/shigetayuu
一年前の記事は今のラノベ業界を反映していない可能性があります。
2018年の質問と回答をまとめました。
※質問箱のまま記入していますので、質問は表現が適切で無い場合がございます。
質問と回答
ネット上でたまに見るのですが、複数キャラが異口同音にセリフを言う時、「「えぇ !?」」のように「」を重ねる表現があったのですが、これはルール上アリなのでしょうか?
小説に「ルール」なるものが存在するのか僕は懐疑的で、仰っていることは「作法」とか「美学」とかに置き換えると腑に落ちるものではないかと思います。
著者と読者の間でその作法が通用しているのならアリでしょう。
ルールのように明文化できるものではない、作法ならではの難しさはあると思います。
質問にある「」の重ねですが、ラブコメなどでは通用するでしょうが、コミカルさの欠片もないハードなストーリーでは通用しないことがあるかもしれません。
シゲタさんは最短で何ページで掴まれましたか?この作品の担当を希望しよう!と決めた最短のページ数を教えてください。
僕はちと余裕がない時が多いですしラノベで誰か一名担当するのはそれなりに大きな覚悟のいる決断なので、担当しよう!と決めるのは全部読んで比較検討してからです。 候補に入れようと思うのは、最短だと0ページです。タイトルに惚れることはたまにあります。
最近、新人賞(Web上のも含む)で、受賞作にコミカライズ確約(もしくは検討)みたいなのが増えている気がします。
おそらくWeb上での掲載なのでしょうが、それでもコミカライズに掛かるコスト(労力)って、小説書くよりも大きいイメージです。でも、確約(検討)を掲げるという事は、良い原稿が欲しいという事なのでしょうか。それとも、絵は描けるけど話が作れない人が余っているとかでしょうか?
単純に、コミカライズも一緒に出すことで漫画も文庫も売り伸ばしたいからだと思います。
発行部数が少ないと書店で手に取ってもらえる機会も減ってヒットしづらくなり、また書店員の方も注文しても来ないと嘆いていたりと悪いことづくめになりますが、ぶっちゃけ戦える部数というは何千 何万部くらい必要なのでしょうか。
刷っても配本されないと意味がないので、単純に刷り部数増やしたら戦えるのかというと違います。 まあ、2万部配本できてたら、あんまり運のせいにもできなくなると思います。
文庫の趨勢はとっくに異世界転生ものを脱している、との見解ですが、いまの流れはどこにあると思いますか?
ラブコメだと思います。 ていうか、いわゆる「なろう系」を収めている大判の棚と、旧来の文庫本の棚を見比べると、ラインナップはもうだいぶ違うと思いますよ。
受賞作の改稿作業において受賞時と大幅に内容が変わったものはありますか?
たくさんあります。
投稿者にシゲタさんなりの受賞のアドバイスをするとしたら、どうなりますか?
そんなん原稿次第ですけど、一般論を述べますと、「お客さんを見ろ」です。
ラノベと漫画って客層はやはり大きく異なるのでしょうか?ターゲットが違うなら作品の内容もそれに合わせたものにしないとだめですよね。
概ね変わらないという判断により講談社ラノベ文庫は漫画部門に置かれてるんだろうと思います。
尺八様やコトリバコのような2ちゃんねる発の有名な怪談についてどう思いますか。
リアリティーは皆無だけどフィクションとしてのリアリティはあるなぁと僕は思いました。怪談として読むと怖くも面白くもない失笑ものだけどラノベとして読むとそれっぽく作られていて説得力を感じられます。
好きですが売り物になるかは微妙だと思っています。 僕は、ポップキャラクターと化した妖怪ないし近代以前の怪談が失った、理不尽な恐怖や未知への畏怖をそうした怪談が担っていると考えます。 物語に落とし込むと整合性が取られ必然性が生まれますから、やはり本質が失われるだけでは?と思います。
やはり、投稿作で登場人物やテーマに社会的な主張や政治、宗教に関する発言をさせるのはタブーなのでしょうか?幾ら面白くても炎上しそうなのは避けるべきなのでしょうか。
「タブー」ではないです。政治・社会的主張は賛同しない人に作品が支持されない可能性が高いので喜ばしくはありません。 宗教は理解や実感が伴わないこともあり、特定の方々への名誉毀損に陥る危険があります。 いずれも筋の通った主張があり、世に問うべきだと版元が納得すれば刊行に至ります。
シゲタさんへの質問と回答がたまり次第、パート11をUPします。
プロの小説家、漫画家が使っているストーリーの作り方
新宿鮫を書かれた大沢在昌さんが書かれた小説の書き方の本
売れる作家の全技術へ
新しいパートをUPしたらツイートします。
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