悠木シュン 小説新人賞を獲りたい人への講座 パート3

悠木シュンの心が折れないブログ

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こんにちは。

第35回小説推理新人賞を受賞し、作家デビューした悠木シュンです。

パート①7つのポイント 、②新人賞のタブー③物語の作り方 ④リライトについて⑤短編賞のメリットデメリット ⑥独白体について⑦厳選5つのポイント ⑧質問&回答 ⑨質問&回答⑩質問&回答

まで講座を書きました。

 

今回は、リライトについてお話しようと思っていたのですが、その前に物語の作り方についてお話させていただきます。

 

最近よく、「小説を書いてみたいけど、どう書きはじめればいいかわからない」というご相談を受けます。

そういった方には、「書いてみなよ!」と背中を押しています。

無責任にそう言っているわけではありません。

 

書きたいと思ったならば、まず書いてみることです。

宝くじと同じで、買わなければ当たりません。

どんなに文章が上手でも、どんなに発想力が豊かでも、行動を起こさなければ誰もあなたの才能には気づいてくれません。

 

ネットで小説を書いて、人気が出て、出版社から声がかかってデビューという人も最近では珍しくありませんね。

若い人であればそれでいいでしょう。

勉強の傍ら趣味で書きながら、デビューを夢見る。

 

しかし、年齢を重ねるとそう悠長なことは言っていられませんよね。

現実と向き合いながら、夢を追うのはとてもしんどいものです。

あまり書く時間もないでしょう。

体力も衰えてきます。

できるだけ早くデビューしたいというあなたにこの講座はあります。

 

もちろん、若くしてデビューしたいという方にも見ていただきたいと思います。

物語の作り方

では、どこから取り掛かっていいかわからないという方へ。

いざ書こうと思って、いきなり原稿用紙やパソコンに向かっても一行も浮かばないって経験はありませんか?

それは、あなたに才能がないのではありません。

準備ができていないだけです。

 

とりあえず、自分はどんな作品を書きたいかイメージしてください。

映画でも漫画でも小説でもなんでもいいです。

下敷きにする作品を一つ以上持っておいてください。

真似をするわけではありません。

あなたというフィルターを通して新しいものにするのです。

 

ある作家さんは、語り口調だけ別の作品を真似して書いて受賞したと仰っていました。

(今も第一線で活躍されている作家さんのお話です) 下敷きとなる作品の上に、自分の武器を載せていく手法で意外とすんなり物語は進みます。

 

では、次にその武器の使い方についてご説明します。

小説は、空想だけでは作れません。

 

実話にフィクションをプラスするから面白くなるのです。

 

まず、自分は何が好きで何に詳しいかを考えてみてください。

 

この分野だったら他の人より知っている、というものがコアであればあるほど小説を書く上では役に立ちます。

 

例えば、学生時代夢中になったスポーツ。

それが野球やサッカーではなくラクロスだったという人なら、是非主人公はラクロスが得意なキャラクターにしましょう。

天文学部だった、吹奏楽部だった、なんでもいいです。

 

自分が知っていることから話を膨らませると、リアリティが増します。

いや、スポーツは何もやっていない、部活もやっていなかったという人ならば、帰宅部ってこんなに楽しいんだよ、放課後こんなことしてるんだよという青春モノのお話を書いてみるのもいいでしょう。

 

学生さんならば、自分の今を物語にぶつけてください。

誰にも負けない瑞々しい文章で書けるはずです。

 

二十代の方ならば、社会人になって同窓会に参加したという設定でお話を進めてみるのもいいでしょう。

昔、ケンカ別れしてしまった友人や彼女との再会、そこから広がる新しい人間関係の中で起こるミステリーなんか面白そうですね。

 

三十代、四十代、五十代の方は人間の汚さをこれでもかと書き綴ってください。

小説は、毒っ気がなければおもしろくありません。普段溜まっているうっぷんを筆に乗せてみてください。

 

私はただの主婦でしたから、それを生かした作品を書くことができました。

日常の愚痴や不満、悪口、過去の自慢などをベースに、絶対に捕まらない泥棒の物語を書きました。実話はデフォルメしたりそのまま書いたり、そこにフィクションを絡めました。

 

 

また、特殊な仕事を経験している人は、作品を作る上で強いです。

選考委員が知らない世界を書くことで他との差別化ができ、受賞しやすい傾向にあります。

これを読んでいる人すべてがミステリー小説を書いているわけではないと思いますが、全ての小説は広義のミステリーだと私は思っています。

読む前から結末がどうなるかなんて誰にもわからないのですから。

 

物語には、大きな謎と小さな謎の二つを必ず入れてください。

その二つが意外な繋がりがあって、すべての細かい謎が一本の糸で繋げられたら最高ですね。

伏線の回収ってやつです。

 

まあ、それはかなり高度な技になるので最初のうちは別々に解決する話で大丈夫です。

慣れてくると、上手に繋げられるようになるので焦らなくてもいいです。

物語をぐいぐい読ませるためには、何かしら事件が起きてそれがどう解決されていくのかという作りにすることが重要です。

別に、殺人事件を起こせということではありません。

 

毎日電車で見かけていたあの子が急に姿を見せなくなったその理由は?でもいいし、誰かが急に部活をやめてしまったことでドミノ倒しが起きる話でもいいのです。

 

物語は全てミステリーということを覚えておいてください。

 

まとめ

さて、物語の作り方についてお話しましたがいかがだったでしょうか?

 

それでは、次回こそは落選してしまった作品のうまい利用法についてお送りします。

 

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